今まで水性塗装、ラッカー塗装でリフィニッシュをしてきたが、今回はオイルフィニッシュをすることにしますた。
てか、ラッカー塗装はシンプルに面倒臭い。
オイルフィニッシュに使う塗料
オイルフィニッシュと一口に言っても、teak oil(チークオイル)、Tung Oil(桐油)、linseed oil(亜麻仁油)、Tru Oil、Danish Oil・・・と色々な人が色々試しているのだが良い結果しか見せてくれないから結局どれが良いのか正直分からん。
だが、近くのホームセンターで手に入りやすいのは、結局和信オイルだったり、ワトコオイルだったりするので、今回はワトコオイルにすることに。
最初にべた塗する
最初に、ボディを#240まで研磨しますた。
次に、ワトコオイルを刷毛でベタ塗りし、拭って放置30分する。
何となく濡れた感じになる。それにしても、匂いが石油臭くなく、結構いい匂いでとっても作業がしやすい。
#400で水(オイル)研ぎ
次に、#400の耐水ペーパーで研磨(空研ぎ用のペーパーでも大丈夫だと思うので、予算に限りがある人は空研ぎ用にすればよい)。
この際、ペーパーにオイルをつけるのではなく、最初に刷毛でオイルを塗ってからペーパーをかける方が効率が良かった。
ペーパーは1枚消費しますた。
しかし、1枚だけでは明らかに研磨が不十分というのが後で判明する。ボディの状態にもよるが、2~3枚の消費は最初から覚悟しておくべきだろうね。ここでさぼると仕上がりが全然違う・・・。
#800で水(オイル)研ぎ
次にオイルを塗って#800で研磨する。ペーパーは1枚消費。
しかし、見て分かるようにピースによって色の乗り方が違い、ムラが目立つ。
もっと全体的に色を濃くしたい・・・ということで、一旦ベタ塗りして12時間程放置する。
#1500で水(オイル)研ぎ
更にオイルを塗って#1500で研磨する。
ペーパーは1枚消費。もう一度ベタ塗りして丸1日放置。
ワックスがけ
最後に、艶を出すためにワトコワックスを使う。
缶の説明書きに「たっぷり塗れ」と書いてあるので、それを信じて刷毛でたっぷりと塗りたくる
ウェスで研磨
丸一日乾かした後、ウェスで磨きますた。
不満発生
しかし、どうにも不満が残る。不満点をざっと挙げると。
- 3Pが故に木目のチグハグさ加減が目立つ
- サンドペーパーで付いた引っ搔き傷が目立つ
- 塗装落としの工程で出来たスクレイパーによる凹みが、消しきれていない。
- 内側の塗装がにじみ出てきた(;・∀・)
結局やり直しその1
結局、ナチュラルな着色だと、3Pのチグハグさ加減が目立つ結果となってしまう。
なので、濃い色で着色すれば目立たんだろうという希望的観測で、ステインで着色することにする。基本、ギターの塗装では水性のステインを使うのだが、今までのオイルが残っていて水性のステインがまだらになることを恐れてオイルステインを使うことにする。
そして、肝心のオイルについても、マホガニー色のワトコオイルを使うことにする。
その結果・・・
見た目はそこそこよくなったのだが、触るとべとべとする(苦笑)。ちなみに、ワトコオイルは触るとさらさらします。
うーむ。オイルステインの説明書きに”色移りするのでニス等を塗ってください”と書いてあったが、やはりオイルステインは駄目か・・・。どうも、和信に良いイメージがないなあ。
ということで、やり直し!
ひたすら、塗装薄め液とサンドペーパーでオイルを落とす。
はあ・・疲れた。
結局やり直しその2
今回は、#240でひたすら研磨して兎に角表面を整えますた。
この作業で5時間以上かかりました。
この工程で傷を消しておかないと、これ以降の番手では研磨力が弱くなるので、仕上がりに影響するがゆえに、妥協は許されない。
ギターの研磨は本当に底なしのアリ地獄というか、なかなかに根気が必要な作業で、気持ちに余裕がないと死にますね。
んで、ワトコオイルを塗りたくって、ワックスをぬった結果。
その後、電装系を組み込みますた。
光を当てると、色が薄く見えるんだが、深みのある色でなかなかのものかと思います。
勿論、サテンフィニッシュですから、あまり光沢はないんだけど、これは好き好きですかな。
まとめ
今回、何回もやり直しをしたのだけれども、塗装を楽しめたのは今回が始めてかもしれない。ラッカーフィニッシュは結構、入念な準備だとかストイックな職人気質が求められるのだが、オイルフィニッシュはワリと気軽にできる。
因みに、(何度もやり直ししなければ)お値段も安いです。おっさんは、既に色々な工具を持っているせいもあるけれど、大体3,000円位で収まると思う。そして、作業もワリと直ぐに終わります。
最後に、メリット・デメリットという形でワトコオイルによるオイルフィニッシュをまとめておきます。主な比較対象はラッカーフィニッシュです。
オイルフィニッシュ(ワトコオイル)のメリット
- あまり場所を選ばない。ワトコオイルであればニオイはキツくないし、飛散もしない。賃貸マンションの一室で十分できる。
- 高いスキルがなくてもなんとかなる。ラッカーフィニッシュは本当に難しい。しかし、オイルフィニッシュであれば、刷毛とサンドペーパーと多少の根気さえあれば、そこそこの結果は得られる。
- 材料のお値段がラッカーフィニッシュよりも安く済む。
- 試行錯誤が少ないので早く終る。さっさとやれば2日で終わるんじゃないでしょうか。
オイルフィニッシュ(ワトコオイル)のデメリット
- グロスフィニッシュにするなら、ワトコオイルは×。別の種類のオイルで塗装するか、素直にラッカー若しくはウレタンクリアを塗るかだと思う。
- やはり、1ピースボディが基本。複数ピースのボディだと、ピースによって木目も違うし、色の乗り方も違うので、チグハグな感じになる。
- ボディの研磨の仕上げが誤魔化せない。キズは本当に目立ちます。まあ、これはギターの塗装全般に言えることだけど。
- 守備力が低下する。ぶつけると思い切り凹みます。なので、そもそも柔らかいバスウッドには余り向いていない方法。剛性を高めたければオイルフィニッシュした後にクリアを吹くとかの対策が必要。
おまけ(どんなオイルが良いか)
最後に、オイルフィニッシュの比較動画を紹介しておこうと思う。
これを見ると、Danish OilとTru Oilがとてもグロッシー(光沢があって)で良いね。お次は、True Oilあたりを仕入れようかなあ。
唸れ僕のエレキギターさん
こんにちは。
ユウギと申します。
現在、ストラトの塗装剥がしに挑戦中です。
飴色の層がまだ残ってます。
着色の層でしょうか?
貴殿の情報が大変参考になります。
Yuugiさん、こんにちは。
飴色の層は恐らくシーラー層かと思います。
ラッカーやウレタンであればその上からでも塗装できますが、オイルフィニッシュの場合は完全に取り除く必要があります。塗装剥がしの大変な部分ですが、自家塗装の満足感はひとしおですので、ご健闘をお祈りしていますd=(^o^)=b
yuugiと申します。
ストラトの塗装を剥がしてます。
どこまで削ればいいのか不安です。
Yuugiさん、こんにちは。
塗装をシーラー層まで剥がすと肌色になります。
一応の目安としては濡れ雑巾で拭いた時に水が吸収されるか弾かれるかですね。
非常に大変な作業ですので、よほど大きな傷をつけない限り削り過ぎるということはないように思います。
コメントありがとうございます。
ボディの一部は水を吸収しますが、
8割はまだはじく状態です。
車用のダブルアクションの研磨機に
木工用のパットを付けてやってます。
60番で削ってもなかなか地肌が見えず。
まだまだ先は長そうです。
ギターによってはこれでもかというくらい分厚くシーラーが盛ってあり、塗装剥がし作業は地獄になりますね(笑)
この工程で心が折れる人も多いようです。
やり方自体は問題ないと思いますので、ご健闘をお祈りします(∩´∀`)∩
おっさんさん
ご無沙汰してます。
昨日、やっと塗装剥がしが終わり、今ナトコのナチュラルのオイルを
塗りました。
ご質問
1.ナトコのナチュラルを塗った後、マホガニーに変更
したい場合、このままの状態でナトコのマホガーを塗ればいいですか?
(現状、まだ磨いてませんが、見た目イマイチです。)
2.最終仕上げは、やはりナトコのクリアは塗った方がいいでしょうか?
お時間のある時にお願いします。
(このサイトの情報がなければ、リタイヤしてました。感謝)
こんにちは!ご健闘されてますね!
マホ色に変更したい場合は、そのまま塗れば大丈夫です。
ただ、私もワトコのマホ色持っていますが、色はあまり乗りませんね。薄いピンク的な感じですかね。
見た目がイマイチということですが、1.元々の木目がイマイチと2.光沢がないという2点の可能性が考えられます。
1はどうしようもありませんが、2は#2000レベルまでオイル研ぎををすれば何となくキレイにはなると思います。
若しくは、ウレタン系やラッカー系の塗料で塗膜を作れば艶は出せます(ただし、油性に限ります)。
いずれにせよワトコ(というか、亜麻仁油などの一般的なオイルは)は塗膜を作らないので、光沢が出しづらいです。
最終仕上げの件も、答えとしては上記に重複してしまいます。ワトコのクリアは使ったことがないのですが、成分が同じなら塗膜ができる訳ではないと思います。
ですので、とりあえず#2000まで頑張ってみて、無理そうなら他の塗料で塗膜を作ることを考えてみてはいかがでしょうか??
ご健闘をお祈りしています(‘ω’)ノ
おっさんさん
詳細なコメント感謝します。
マホ色にしようと思ったのは、下記の理由です。
1.部分的に何故か赤色の塗料か何かがが滲み出ている。
2.貴殿の「ようやくオイルフィニッシュが終了しますた。」
の色合いがいいから。
→次の休みまでにどうするか決めようと思います。
改めてコメントさせていただきます。
その節は、アドバイスをお願いします。
(追記)
赤色が出てくるのはほんの一部分です。
塗装のそうはもうないのに出てきますね。
なるほど・・。
ワトコオイルはラッカーみたいな強いシンナーが入っていないはずですし、塗装が完全に剥がれていれば不思議ですね。
しかも赤色というのがちょっと怖いですね・・・((((;゚Д゚))))
おっさん さん
ご無沙汰してます。
まだワトコオイル(ナトコでないですね)をナチュルラルのままにするか、マホガニーにするか悩み中です。おっさん さんの「ようやくオイルフィニッシュが終了しますた。」ギター の色合いがあまりにいいので。
Q.現状は、ナチュラルを1回塗っただけで磨きもしてません。何回か塗って磨けばナチュラルと言えども
色は濃くなりますでしょうか?(滲み出る赤色が多少目立たなくなる対策:赤色の寸法は数ミリで1箇所)
初歩的な質問で失礼します。
こんばんは。
濃くはならないですね。ワトコは。ナチュラルもマホ色も濃くなりません。
あの写真はたぶん夕焼けもあいまっての色合いだったと思います。昼間はピンクに近いです。
色をのせたい場合はニッペ WOOD LOVE オイルステインのほうが良いと思います。
おっさん さん
いろいろとアドバイスをいただき感謝します。
迷った結果、ダークウォルナットにしました。
本日、塗りましたがすごく汚い色になりました。
最初にナチュラルを塗った影響があるようにも
思います。
残念・・・。
そこでご相談です。
1.ナチュラル に戻す場合は、削るしかありませんか?
2.ワトコ使用後のハケのメンテナンス。放置してたら硬くなっていました。
お時間のある時にお願いします。
いえいえ。大変ですね。
>1.ナチュラル に戻す場合は、削るしかありませんか?
既にオイルが染み込んだ状態では当然新たなオイルは浸透しにくくなりますので、ムラはでるでしょうね。
塗装薄め液(ラッカー以外)である程度は取れると思うのですが、それで見た目に満足できなければ(相当)削らないと無理だと思います。
>2.ワトコ使用後のハケのメンテナンス。放置してたら硬くなっていました。
私は安物しか使わないので捨ててますが、塗装薄め液(ラッカー以外)でクリーニングできると思います。
私もオイルフィニッシュは何度も失敗しており、高いレベルを目指すのは非常に難しく奥の深い塗装方法と思います。
大変だと思いますが、ご健闘お祈りしています。
おっさん さん
いつもアドバイスをいただき感謝してますます。
結局、ダークウォルナットは削り、ナチュラルのオイルフィニッシュにして、800番
でオイル研ぎ済み。1200番でオイル研ぎをする予定です。
艶が欲しい場合、以前アドバイスをいただいてますね。
→「(油性の)ウレタン系やラッカー系の塗料で塗膜を作れば艶は出せます。」
Q.やはり上記のクリアを噴いた後、仕上げで研磨が必要でしょうか?
噴くのであれば、スプレー式を使用するつもりです。
お時間のある時にお願いします。
yuugiさん、こんにちは!
ダークウォルナットを削ったのですね。それは大変なご苦労だったと思います。
さて、艶が欲しいということで、クリアを吹きたいということですが、
勿論、研磨は必要になります。
言ってしまえば、単なるラッカーorウレタン塗装ですので。
ですので、お金も手間もかかりますし、失敗の可能性も多分にあります。
もしそれを避けたいのであれば、塗膜を作る(と言われている)Tru OilやXotic Oilなどを試してみてはいかがでしょうか。
私は使ったことがないのですが、かなり光沢はでるようです(とはいえ、スチールウール的なもので研磨は必要になりますが)。
おっさん さん
ご丁寧なご返信に感謝します。
アドバイスを拝見し、クリアは止めることにしました。
ワトコワックスを使用しようと思います。
まあまあ艶は出ますでしょうか?
貴殿の使用した写真ではよく分からず。
(失礼をいいます。)
後、オイルをつけて磨く際、どこで見切りをつけるかが
よく分かりません。
何かアドバイスをいただけましたら、幸いです。
(明日、仕上げる予定です。)
Yuugiさん、こんにちは。
ワトコワックスでいくのですね。
塗膜ができるものではないので、正直そこまで艶は出ないと思います。
まずは#2000程度まで丁寧に磨いてみての判断かと思います。
磨く目安とのことですが、結局は#2000、#3000あたりが目安かと思います。
いずれにせよ、研磨の作業は前段の作業によってできた傷を平面にしていくことなので、目で確認しながら平面を出すことを目標にしていくのが良いかと思います。
まあ、こういってはなんですが、最後は諦めも必要かなとは思います。
おっさん さん
こんにちは。
今週火曜にオイル研ぎで#2000まで処理しました。
2日ほど乾燥させました。
ワトコのナチュラルで仕上げましたが、程よく黄色になり、
木目がきれいに出てます。非常にいい仕上がりとなりました。
ありがとうございました。
貴殿のサイト、アドバイスがなければ完全にリタイヤしてました。
機会があれば写真をお見せしたいと思います。
追記
後少し艶が欲しいと感じてます。何か簡単な方法があれば教えて下さい。
スプレーなどは、除外で考えてます。塗る物があれば幸いです。
Yuugiさん、こんにちは。
非常に良い仕上がりになったとのこと、良かったです!
艶ですか・・・。
恐らく最も簡単な方法は布で磨き込むことでしょうか。それだけで結構変わると思います。
塗るものとしては、Xotic Oilあたりでしょうか。塗膜ができれば一気に艶がでますので。
そんな感じでしょうかね(;^ω^)
おっさんさん
大変ご無沙汰してます。
その後エキゾチックオイルを購入しました。
毎朝、ジェルを塗りましたので、おそらく8層くらいと思います。
この状態でもムラはあるものの結構艶があります。
貴殿の「鏡面仕上げ」の記事を拝見しました。
挑戦してみます。
まずは、エキゾチックオイルの仕上げとして、1500から3000
のペーパーでやってみます。
8層あれば、この番手でいいかと思いますが。
アドバイスがあればお願いします。
yuugiさん、こんばんは。
引き続き、頑張ってますね。
xoticオイルなのですが、私は使ったことがないのでなんとも言えません。
おっしゃる記事は基本ウレタン塗装なのでそのままだとうまく行かないかもしれません。
塗膜がかなり薄いと思いますので、スチールウールの細かいのが良いのかなと思います。