Gibson倒産の危機について考える

Gibson倒産か?というアメリカのニュースが日本語に翻訳されて伝わり、そこからネットメディアや糞tuberにより拡散され、twitterでも議論が巻き起こるなど何やら楽しい(不謹慎ながら)ことになっている。

いまさらながらだが、おっさんもこの問題を考えてみたい。

元々のソースは?

この話、元々はMOODY’SがGibson(Gibson Brands, Inc.)の信用格付けをCaa2からCaa3に落としたことに始まる。

こうなった理由は、負債が多すぎる割に儲けが少なく、2018年8月1に返済日を迎える375百万ドルの担保付約束手形(社債に似ているが、より短期で償還されるものらしい)の借り換えと、7月23日に返済日が到来する借入金145百万ドルの借り換えは難しく、手元の資金も少ないので、事業を継続するのはちょっと無理そうです、格付けを落としますた、というものだ。

We feel that Gibson’s capital structure is unsustainable due to the uncertainty over its ability to refinance debt that comes due in July 2018 and August 2018 given its very high leverage and weak operating performance,” said Kevin Cassidy, Senior Credit Officer at Moody’s Investors Service. Debt/EBITDA is approaching 10 times. “Despite our expectation of debt reduction over the next year with the expected proceeds from asset sales, we think debt/EBITDA will remain high at around 8 times

MOODY’Sのレポートより

とっても簡単に言うと、借金してまでティアック等々の企業を買収したけど、儲かりませんでした、(∀`*ゞ)テヘッ 借金も返せなくなっちゃった~、倒産しちゃうかも!?/(^o^)\ナンテコッタイちゅう話なんですな。

ギターの販売不振と事業投資の失敗

で、なんで借金してまで企業を買収したのかというと、ギターが売れねー、こりゃいかん”俺は総合音響メーカーになる!!”と言って電子音楽とか別の楽器の販売に進出したかったからなのです。

そのおかげで売上は一昔前より爆増しているのです。

追記:ただし、直近3年間で2.1百万ドルから1.7百万ドルに減少してはいるようです。

だけど、儲かっていないんだよね(利益が出てない)。これが問題。

だって、ティアックはTASCAMを傘下に持ってるとはいえ、赤字企業だからね(普通に上場しているけど)。あと、オンキョーの株はほとんどを手放しちゃったみたいだから、もう子会社でもなんでもないけど、こちらも赤字でござる。

追記:負債が増大した一番の問題は、2014年にPhilipsの音響部門を135百万ドルで買収したことだっとといわれておりまつ。

しかも、Sonarの開発を中止してしまったり、いくつかの商品がなくなったお陰で売り上げも減る模様。

追記:その代りCakewalkが復活するらしいですね。おっさんも大学生の頃買ったよ。何もできずに諦めたけどw懐かしいなあw

で、今こうなっているって話。

つまり、根本的にはギター販売の不振があるようなんだが、直接の原因ではないのだ。

直接の原因は事業拡大・投資に失敗したって話なんだよね。

ここまできたら、ひたすらリストラしまくって銀行に頭下げるか、不動産・事業問わずに売れるもの売りまくって現金化するしかないのですな(流石に救いの手を差し伸べるところはないと思う)。

メンフィス工場も売っちゃうというというあたり、実際にそういう動きをしてるしね。

Chapter11行きが迫っているだけに、必死こいて対策はするでしょうな。

ちなみに、twitter上ではハッシュタグ「#ギブソン復活の為には」では、色んな意見があって面白いのだけど、そもそも直近の危機を乗り越えられるかもわからん状態では何言っても無理である。あ、つ、釣りだったか!?

糞tuberの意見についても同様で、最近は品質が下がってきただの、販売店との関係が悪いとか、それは確かに問題の一因ではあるんだろうが、直接の原因は事業投資の失敗で、今すべきは直近の危機を乗り越えることなのだ。

エレキギターの市場が縮小?

Gibsonに限らずどこのギターメーカーも厳しい状況と言われているけど、実際のところギターの出荷数が減っているのか値段が下がっているのかよくわからんところである。

(ちゃんと調べていないだけだけどw)

確かに、Rockが下火で別の機器に乗り換えが進んでいる、ギターヒーローがいない、ということで米国とか日本でギターの出荷数が減るということはあるかもしれないが、世界規模でみたら、新興国が豊かになることで、楽器の普及は増えるような気がしている。

また、クローゼットにギターの1本や2本突っ込んだところで、大してかさばらないわけで、普通の人は割と気軽にギターを買っているような気もしている。部屋のオブジェにもなるしw

なので、個人的には生産の新興国シフトでギターの値段が下がっていることが、有名ギターメーカーの販売不振の大きな原因だと思っている。

特にGibsonにはChibsonというコピー品の問題があるしね。

そら、photogenic程度の品質のギターが1万円で手に入る時代なんだから、誰もGibsonの正規品なんて買わんわな。みんな安いコピー品に手を出してしまうわな。

ただ、だからといって値段を下げて売ればいいってもんじゃない。

Gibsonも最近はMade in USAの安価モデルを投入しているみたいなのだが、そんなことをしたって儲かるわけはない。新興国とコスト構造が全く違うんだもの。ブランドを棄損するし。

とても安価なレスポール(Made in USA)

とても安価なレスポール(Made in USA)

ここらへんの戦略も大いに間違っていると言わざるを得ない。何をやってるのかねチミは。たださっさと現金が欲しいがための行動だろう。

しかも、米国では木材製品の規制でギターの大量生産が難しくなる可能性もある。薄利多売している場合じゃないんだよ。

拙いM&Aといい、経営陣を総アポーンすべきだろう。

他のギターメーカーの状況は(追記)

Washingtonpost紙の「Why my guitar gently weeps」によると、Paul Reed Smithの収入(売上)は年間42百万ドルから45百万ドルで継続しているとのこと。

同記事によると、Fenderの収入(売上)は675百万ドルから545百万ドルに減少。

ギター業界が厳しいのは明らかだけど、むやみに拡大に走らずPaul Reed Smithのように比較的小さな規模でシコシコと頑張れば生き残る術はあるのではないかと思えまつね~。

Gibsonの今後は

結局、危機は乗り越えられるのだろうか。

まあ、お手並み拝見というところだが、仮に倒産が回避されたとしても前途は厳しそうだね。上場して糞株を投資家に押し付けるウルトラCも流石にどうかと思うし。

Epiphone 、Kramer、Steinbergerとかのギターブランドも整理が必要かもね。工場の売却、リストラは不可避なんだろうなあ。木材の規制の問題もあるし、生産本数の減少を前提で考えないと厳しそうだ。

Gibsonブランドについては高品質・高価格路線で、ギターの部門自体は、従業員が食える程度の規模で生き残りを図る方がいいような気がするなあ。勿論、QCとか販売店政策、販売する国の選定は改善が必要と思うが、これだけのブランドだけに生き残る道はあると思う。

今後の成長については、別の分野に活路を見出す必要があると思う。ギター以外の楽器とか音響機器、ソフトウェア何かは分からんけど、投資は引き続き必要とは思う。ただ、企業を買収する時はもう少しまともなデューデリが必要じゃないかなw

追記:

米国の投資ファンドがGibsonの債権を握っているという話もありますね。

日本の倒産法みたいに、債権者申立てによるChapter11(連邦倒産法)という可能性もあるんだろうと思う。いやはや。

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コメント

  1. たこすけちん より:

    歪ませてブラインドにしちゃうと機材なんて区別つかないですよね。
    車も直6と直4を正確に判別できる人っていないなんて言いますし。
    安さには勝てない部分が必ずありますから、高級ギターメーカーは益々厳しくなるのでしょうね。
    わたしの中華ギターはまだ届きませんw

    • おっさん より:

      そうですね。アコギと違って生音で勝負する楽器ではないですからね。特にDTMだとますます区別が付きにくいような気がします。youtubeの比較動画でgibsonのピックアップとepiphoneのピックアップであまり違いがなかったのには若干笑いました。
      でもプレイアビリティの部分では違いがでるんでしょうね。そこは段々と学習してきましたw

      中華ギター届きませんか・・・。それは心配ですね。今頃木材を乾燥させているのでしょうかねw私も出荷まで3~4週間かかりましたが、事前に連絡をもらって合意していたので気は楽でした。早く届くといいですね。

  2. たこすけちん より:

    やっと届きましたよ~。 しかしチューニングが安定しないw 0フレットが浮いてたり、フレットが少しざらついていたり、指板が加工したあと何もして無くて油分0だったり・・・w その他諸々、全体的にに調整しないとダメですねー。見た目だけはカッコイイんですが、まあ25000円だとこんなものかな?って感じですわ。とりあえず何もしないで弾くと手が真っ黒になるので、掃除から・・・

    • おっさん より:

      到着おめでとうございますw
      早速中華4000年の洗礼を受けていますねw
      チューニングはまだしも、手が真っ黒になるとかww

  3. たこすけちん より:

    続き・・・トーンノブが360度回りますね・・・斬新w 1周回るとトーンが一気に元に戻る! 小さい事なんだけどVo.とToneのノブが微妙に違うものがついてるw 0フレットの浮きは弦高を稼ぐために1弦側だけ斜めに上げてたみたい・・・打ち込んだら1弦の開放が鳴らなくなった・・・もう全てが面白い4000年のギターw 初心者絶対は買っちゃダメだねぇ。。。Aliexpressセール中だから何かお買いになるといいですよ!(半笑い

    • おっさん より:

      斬新なノブですねえw中国発のイノベーションですねw
      Aliexpressはバラツキ多いですね。ちょっとしたギャンブル・・・。
      ちなみに、何というセラーですか?よければ教えてもらえると嬉しいです。
      ブラックリスト行きにしますのでw

      Aliexpressのセールですか・・・流石にどうでしょう・・w
      Thomann(ドイツ系?のネットショップ)で激安のHarley Benton(photogenicみたいなプライベートブランド・中国産?)に手を出す方がなんぼか安心できそうです。評価がなかなかよろしいようです。Harley Bentonにはヘッドレスはなさそうですが。