ギターのポットに上手くはんだ付けするコツとは

これまでひたすらピックアップを取っ替え引っ替えし、回路を弄りまくってきたおっさんであるが、はんだ付けは苦手で、はんだが上手く乗らずにポットを熱くし過ぎてしまうなんてことがよくあった。

実は、はんだ付けって結構コツがあるんですが、これを知ったら結構まともになったというお話が今回の記事です。なお、永遠に上手くはならない模様(-_-;)

ちなみに、予備ハンダとか、ポットを予め熱しておくとかの話はしません。ギターDIY界隈であんまり言及されてないように見える話を中心に書きます。

はんだの種類によって作業の難易度が変わる

ホームセンターで買ってきたはんだ

上の2つのはんだの違いって分かりますかね?

そうです。鉛の有無です。

このように、現在では有鉛はんだ(共晶半田)無鉛はんだ(Pbフリーはんだ)が売られているわけです。

この鉛って厄介で、体に入ると鉛中毒を起こす代物なんですな。

そのため欧州では、RoHS指令によって、2006年7月1日から、従来の鉛を多く含むハンダの使用は原則として禁止されてるっちゅうわけです。

なので、産業用の基盤とかって多くは無鉛はんだが使われているんですな。パソコン用のパーツってRoHS対応って書いてあるでしょ?

一方で、ケスターについては、USA産なもので、錫:鉛=60:40ちゅう具合に鉛が入っているんですな。

有鉛はんだは融点が低い

なんで、未だに有鉛はんだが使われるかっていうと、融点が183℃融点が217℃である無鉛はんだと比べると、低い温度で溶けるのです。

たかだか数十度違うだけなんだけど、これが大違いなわけです。

そこらへんでよく売られている温度調整付きはんだごてだと、まあ200℃以上出せる設計になっているから、大丈夫に見えるかもしれません。

温度調整ができるはんだごて

しかし、なんだかんだで熱は逃げるんですな。無鉛はんだの場合、おっさんははんだごてを250℃以上に設定して、ようやくストレスなく作業できる感じですね。既についているはんだを溶かす場合は、300℃以上に上げたりします。

はんだが溶けねぇなあ、とイライラするにとどまらず、ポットにはんだごてを当てすぎてガリガリにしてしまうということをやったことがある人も多いと思いますが、はんだ自体の問題もあるんですな。

無鉛はんだは作業しにくい(濡れ性が悪い)

「濡れ性」という言葉があって、「固体表面に対する液体の親和性(付着しやすさ)を表すもの(精密工学会)」という意味なんだが、この濡れ性で言うと、有鉛はんだ>>>無鉛はんだになるんだよね。

有鉛はんだは、ぬるぬると付くので作業しやすいんですけど、無鉛はんだってやたら付きにくいことがあったりする。経験するとわかるんだが、このストレスたるや大違いなんですな。

最近だと無鉛はんだもかなり付きやすくなっているらしいんだけど、我々DIYerレベルだと、結構大きな差があるんだよね。

ゴミ処理の問題もあるので原則は無鉛はんだを使うべし

DSC_0190

と、無鉛はんだにメリットがあるように書いているんだけど、結論的には無鉛はんだ一択ですよ。

鉛入りの使用済みはんだについては、不燃ごみで捨てるしかないんですな。

可燃ごみとしてポイしてしまうと、焼却灰となったものが埋め立てに使われることになって、鉛が河川に流れ込み・・・などの環境問題が出てしまう。結果、鉛中毒は、注意欠陥・多動性障害 (ADHD) との関連もあるとの話だから、我々にとって他人事ではないんですね。

電気製品を修理する人は割とここらへんを気にして、無鉛はんだを最初から使うようにしているようですね。なので、音がどうのとか言ってないで、ギターDIYerもここらへん考えないとあかんらしい。まあ、はんだの違いなんて聴き分けられないんだから・・・ね( ゚Д゚)y─┛~~

ということで、無鉛はんだの特性を念頭におきながら、あとは経験と技術でなんとかしていくことが必要なわけです。

フラックスとかのツールを上手く使って対処する

これが正解なのかは分からん

で、ポットにはんだが付きにくい問題です。

これは、ポットの金属表面が酸化してしまっていることが主要な原因ですな。

ただでさえ、無鉛はんだは「濡れ性」が悪いので、酸化膜があるともうどうにもならんわけです。おっさんも数時間格闘した経験がありますよ( ゚Д゚)y─┛~~

だから、ヤスリでポットの表面を荒らすという作業が推奨されるんですな。これによって酸化膜を除去して、そこにはんだを乗せるということが重要なんです。

一方、電子基板をいじる人たちが何をしているのかというと、無鉛はんだの特性を理解したうえで、じゃばじゃばとフラックスを使っている訳です。

フラックスは松やに(ロジン)が主成分と言われてますけど、おっさんが見る限り主成分は塩酸が多いみたいですね。酸化被膜がこれで除去できるっちゅうわけです。

参考ページ:フラックスの役目と種類

んで、フラックスを使ってはんだ付けしたのが、以下です。茶色になっている部分がそうですね。

ポットにフラックスをちょびっと乗せてやると、その部分だけピカピカになるのが分かります。そこにはんだを乗せていくのですが、

滅茶苦茶楽だお。

ヤスリでポットの表面を荒らすよりも効率的なような?あと、そこはかとなくスマートなような?( ゚Д゚)y─┛~~

ちなみに、写真の綿棒は余計なフラックスを拭き取っているところです。放置しておくと、逆に腐食してしまうので、お掃除している訳ですね。

金属接着用のフラックスを使えば、金属ですらはんだ付けできるみたいです。動画でもありますけど、結構びっくりします。

あとは、ヒートクリップとか使うと、圧倒的に作業性が向上しますね。手は2つしかありませんから。

まとめ

ということで、

  1. 無鉛はんだと有鉛はんだの特性の違いに気をつける
  2. フラックスやツールを使う

という感じで、意外と盲点かなと思ったところについて書いてみました。

これでハゲが治ったり、痩せたりする訳ではありませんが、参考にしてもらえると嬉しいです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です