様々な失敗を繰り返したお陰でリフィニッシュは懲り懲りだったのだが、最近になってムクムクとリフィニッシュに対する意欲がクビをもたげてきた。
俺にはまだやり残したことがある!
特に、オイルフィニッシュ。こいつの最適解はまだ見いだせていない。
オイルフィニッシュは、スプレーを使う訳ではないから場所を選ばないし、小難しい刷毛塗りも要求されない。ラッカーと比較して臭いも少ない。
しかし、おっさんは思ったようにツヤツヤの結果を得られず、ずっとモヤモヤしていたのであった。
そうこうしてyoutubeの動画をみて色々勉強しているうちに、ようやく最適と思われる方法を見つけたのであった。
このエントリーでは、ホームセンターで仕入れたアガチスの木片でオイルフィニッシュを試してみることにしまつ。正解が分かっていると実際にギターをオイルフィニッシュするときにも迷わないからね。
で、最初に今回の成果をのせておきます。
なかなか艶々だと思うのだが、どうだろうか。
ギターのオイルフィニッシュに最適なオイルとは?
ツヤツヤになるオイルにはニスが入っている
おっさんは以前、ワトコオイルを使ってリフィニッシュをした。しかし、その結果は小学生の工作並みの寂しいものだった。
全くツヤツヤにならないのである。
じゃあ、どんなオイルが良いのだということで、以前のエントリーで色々と調べたのであった。
で結論としては、「Tru Oil」とか「Danish Oil」などの海外でオイルフィニッシュによく使用されるものは、亜麻仁油やニスなど色々と石油化合物を混ぜ合わせたものだったことがわかった。
そう、至極乱暴に言うとニスが入ってるからツヤツヤになるのですな。
ツヤツヤのオイルフィニッシュ≒薄いポリ塗装
そして、油性ニスの成分は一液型ポリウレタン樹脂塗料。つまり、みんな大好き(大嫌い?)「ポリ塗装」に使われる塗料なんだよね。
更に調べると和信ペイントのオイルフィニッシュ用塗料である「木彫オイル」や「ウッドオイル」の実態は一液型ポリウレタン樹脂塗料なのであった。
ポリウレタン塗料を薄めて調整したものがオイルフィニッシュ用のオイルとして売られている訳ですな。
そりゃツヤツヤになるはずだわ。
ギター職人のやり方を真似てみる
で、ある米国のギター職人がポリウレタンと薄め液を使って、キッチンペーパーを使ってオイルフィニッシュをしているのをyoutubeで見かけたのです。
ああ、やっぱりなあと、おっさんの自分でオイルを調合する方法は間違ってはいなかった、ただやり方が多少悪かったんだなあとようやく納得が行ったのです。
ということで、前置きが長くなりましたが、今回は、ポリウレタン塗料(和信ペイントの油性ニス)とペイント薄め液を1:1で混ぜたオイルでオイルフィニッシュしてみたいと思います。
もはやオイルフィニッシュじゃないのではないか??
というツッコミを受ける余地はあるが、上記の通りツヤツヤのオイルフィニッシュは実際みんなポリ塗装なんだから良いのである。
オイルフィニッシュの手順
オイルの調合
まずは、買ってきた空の容器に、油性ニスとペイントうすめ液を1:1の割合で投入する。これを割りばしかなんかで混ぜる。泡立ってしまうので、シェイクはダメ。
塗って・研磨を繰り返す
今回オイルを塗る道具として使ったのは、「キムワイプ」。こいつは、ティッシュやキッチンペーパーよりもけば立ちにくくて、繊維が落ちにくい。
以前、Tシャツの切れ端でオイルを塗った時には、繊維が落ちて大変だった経験があるので、こういうちょっとしたものをしっかりと準備するのが重要と学んだ次第であります。
今回の作業工程は以下のような感じです。
- 12時間周期で3回ほどオイルを塗り重ねる
- #400のペーパーで凹凸をならす
- 12時間周期で3回ほどオイルを塗り重ねる
- #800のペーパーで凹凸をならす
- 12時間周期で3回ほどオイルを塗り重ねる
- #1000のペーパーで研磨
- #1500のぺーパーで研磨
- #2000のぺーパーで研磨
- コンパウンドで磨く
研磨が可能な状態になるまでには時間がかかります。だから、塗装は一日に2回が限度。
そんな感じで頑張った結果がこんな感じです。
うむ。なかなか。
これなら、ギターに試してみてもいいかも。
でも、これ以上面積が大きくなるとやっぱり大変になるなあ。
いつか暇になったらやろう・・。
この方法のメリットとデメリット
メリット
この方法のメリットは沢山あります。
- ポリウレタンはとにかく安い。まだギターに試していないのだが、恐らくクソ安く済むだろうと思う。必要な材料費は2,000円以内で収まるんじゃないだろうか。
- 普通の居室で作業ができる。特別な場所を必要としない。ただし、ホコリには要注意や!。
- ラッカーほど臭わない。多少ガソリン臭いくらいで済みます。
- 根気さえあれば割と簡単にできる。
デメリット
- 時間がかかる
これに尽きる。ポリウレタン(一液性)の場合、ニトロセルロース入りのラッカーと違って、研磨できるまでの時間が結構かかる。
なので本当に根気が必要です。
ひょんなことからギターキットを手にしてしまったので
オイルフィッシュ周りの記事、とても参考になりました。
ありがとうございます。
参考にしていただけてよかったです!!ギター制作頑張って下さい!
研磨の際はオイル研ぎですか?
このやり方だと基本はポリ塗装ですから塗膜ができ、それだけで表面がなだらかになりますので、空研ぎか水研ぎになりますね。
ワトコオイルなど植物由来の油を使っている場合は、塗膜ができませんので、オイル研ぎをすることで油と木材の粉を表面の溝に落として目止めをします。
こうすることで、表面をなだらかにしていくのですね。
ちなみに、この2カ月ほどでかなりオイルフィニッシュを追い込めたのですが、忙しくてアップ出来てないです・・・(´・ω・`)
3000円で中古で買ったギターを塗装しようと最近計画を立てていて木目が僕は好きなので塗装を剥がしてからだけど細かい木目が横に入ってたらステイン塗装、縦に木目が入っていたらバーナーで炙ってからオイルフィニッシュにしようと計画しています
ものすごく参考になりました
おおっ!バーナーで焼くのですね。楽しそう!
最近安いフェンダー系のSquierのテレキャスモデルを買ったのですが、白いメイプルネックを飴色に塗装しようと思うのですが、丁度、以前自作家具で使ったワシンの油性ニスがあるので使おうと思うのですが、見た目ではよく分からないのですが、ネックには当然クリアー塗装はしてあるとは思うのですが、この油性ニスをこのまま上塗り出来るものなんでしょうか。サンドペーパーで剥がせばいいのですが、ロゴの問題があるので、上塗り出来れば好都合なのですがどうでしょう。丁度いいサイトに巡りあったので何かご意見いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
こんにちは。Squireはコスパが良くて好きです。
ご質問の件、できると思います。ラッカーだとシンナーが強すぎて元の塗装をシワシワにしてしまうことがあるのですが、油性ニスはウレタンなので大丈夫だと思います。
ただし、食いつきの問題があるので、ある程度の足付け、ヤスリ掛け(#400程度でしょうか)はあった方がいいとは思います。
ヘッドの部分はロゴ部分を除いて軽く磨く感じでしょうか。Squireの場合、黒ロゴとシルバー・ゴールド系のロゴがあり、印字の方法も違うのかな?と思いますが、確かにサンディングするのは怖いですね。
一液性である油性ニスは乾くのが遅いので、根気よく頑張ってください!