リフィニッシュでオイル→ラッカー→ウレタンの重ね塗りは大丈夫?→やってみた結果

良きBurnyを手に入れた。LS-38。

台湾製で、まぎれもないエントリークラスのギターであるが、ポットが外れているというだけでジャンク扱い。

3,000円である。安い。買った。

そしたら、ペグから、ブリッジ、ピックアップに至るまで部品系は日本製だったというオチで、これまたラッキーであった。

ピックアップはゴトーピックアップ、ブリッジとペグはゴトーガットちゅう話ですw

ということで、今回はこいつをリフィニッシュしていきたい訳ですが、ただリフィニッシュするだけだとつまらんということで、割とリフィニッシュの際に悩みがちないくつかの疑問点も検証していこうではないかと思うんですな。

すなわち、

  1. オイルを塗った後に、ラッカーは塗れるか?
    ・・・オイルの風味を出したい、木をオイルで強くしたい。しかも、塗膜を作りたい・・・。
  2. ラッカーを塗った後にウレタンは塗れるか?
    ・・・つぶし塗りができるウレタンのスプレーに選択肢が少ない(というか無い?)から、つぶし塗りしたければラッカーを使わざるを得ない。でも、ラッカーを使うと、黄変の危険があるため、取扱が面倒臭い・・・。

という、永遠の疑問ですw

で、最初に結果です。

ピアのブラックOK~って感じですね。勿論、いつものように角で下地が露出するなど、デフォルトで失敗はしているのですが、上記の疑問については解消できたものと思います。これから、経年変化を見ていこうと思いますが、基本的に問題なさそうです。

ちなみに、オイルの上にウレタンを塗ることができるのは既に実証済みです。

エレキギター塗装の工程と注意点まとめ【オイルフィニッシュ・鏡面仕上げ編】(備忘録)

これに関しては、1年以上経っても問題は出てません。

ということで今回は、オイル→ラッカー→ウレタン塗装のやり方を見ていきます。

ちなみに、こいつらすべて、油性を前提にしております。もっと言うと、ラッカーは、ホルツの「カーペイント」、ウレタンは、イサムの「エアーウレタン(2液性)」です。あと、オイルは、「ワトコオイル」です。

塗装の手順

まずはいつもの生地調整。#240まで研磨して目止めをしておきます。

オイルで塗装

で、次にワトコオイルを塗ります。

まあ、ここまでは特に難しいことはないです。

ラッカー塗装

お次は、つぶし塗の工程ですが、ここでラッカーが登場します。勿論、ニトロセルロース入りのやつを使います。ダイソーでも地味にちっさいスプレー缶が買えるのですが、ギターのボディを丸ごとつぶし塗するためには、300mlのスプレー缶1.5本程度が必要です。ですから、車用のやつとダイソーのやつを1つづつ使ってもいいかもしれない。利きシンナーができます。

で、30度くらいのお湯であたためます。こうすると霧が細かくきれいに吹き出します。

つや消しなのは、つやありのやつが買えなかっただけです。

とりあえず丸一日かけて吹いた感じです。

15分間隔で吹いていくような感じです。

なお、乾いたかどうかを判断するのは触るのは勿論ですが、やはりニオイだと思います。シンナー臭が少なくなったらサンディング可能なレベルにはなります。本格的に乾くのは3日位は見た方がいいですが、サンディングできるまでには1日程度かと思います。

次に、やすりを使って平面を出し、足付けをするわけですが、今回は#800で優しくそっと磨きました。#800と言えども力を入れると結構余裕ではげます。特に、エッジと側面は塗装が薄くなりがちなので、要注意やで。結局この後、エッジの部分を剥がしてしまい、再度吹きなおしています。

なお、すでにスプレーを使い果たしていたので、追加で吹くスプレーを買い足しています。側面とエッジについてはかなり念入りに吹いておく必要がありますね。

ウレタン塗装

今回は、イサムのエアーウレタン、つまり2液性のものを使ったのですが、その理由は速乾だからです。ニトロセルロースには劣りますが、乾くスピード早いです。やはり1日もあればサンディング可能なレベルにはいくように思います。難点は値段が高いことですが、1液性のウレタンは、いくら安くても乾くのが遅く、結局は仕上がりにも影響してきますので、仕方ない。

で、こちらが20分程度の間隔でウレタンを吹き、半日ほど経過した状態になります。

うーん。車用のものもそうですが、2液性のスプレーは粘度が高くこのようなぶつぶつができてしまうんですな。

ですんで、ここからサンディングをしていきます。順番は#600→#1200→#1500という具合です。

ちなみに、使い切れなかった2液性スプレーを冷蔵庫に保管するという裏技がありますwww

本来2液性は硬化剤と主剤を混ぜるため、1日で使い切ってくださいと書かれているんですが、冷蔵庫や冷凍庫での保管をすると、使えちゃうんだよねwww結果は保証しないけど、実際大丈夫でしたwww

仕上げ

後は、いつものようにネバーエンディング・サンディング・ストーリーをしていく訳ですwww

おっさんは今回、こんな感じで光で照らしながら、傷を確認しながらサンディングしました。

とにかく、サンディングをする場合は、いかに傷を細かくしていくかに尽きる訳で、結局今回は#3000までやってしまったという・・・w

さらにここからコンパウンドをかけていく訳ですが、ただ単にコンパウンドで磨けばよいという訳ではなく、コンパウンドでヤスリの傷を消していくという作業になる訳なんですな。

ですから、粗目と細め2つを用意するのがいいという訳です。

おっさんもいままでこの工程は割と適当に済ませてたんですが、粗目のコンパウンドで磨き込むと、最後の仕上がりが全く変わってきます

という感じで、細めのコンパウンドで磨いた結果。

まあ、手作業でやってここまでは追い込める訳です。

まとめ

という訳で、今回はオイル→ラッカー→ウレタンという3重塗装のやり方でした。

今のところ、塗装面に問題はまるでありません。

この塗装は結構メリットがあると思います。

  1. オイルで木が強化できる。というか、湿気の影響を受けにくくなる(ような気がする)
  2. ラッカーをウレタンで覆うので、黄変の心配がなく、取り回しが楽(てか、どこかの工房が、ラッカー・オン・ポリとか言ってやっていたような気がする)。
  3. 仕上がりは普通にキレイ。
  4. 待ち時間が少ないので効率的である。

一方デメリットとしては、

  1. スプレーは建物を養生するのが大変

くらいですかね。お値段としては、まあ普通にラッカー塗装するのと同じ位です。取り立てて高いわけではないです。

後記

ただし、ウレタン→ラッカーという塗り重ねは無理なので、気を付けて下さい。

実は、ちょっと気に食わないところがあって、タッチアップしようと、黒のラッカーを吹いたところ、ポリウレタンのクリア層を溶かしてシワシワになりました。

また、マスキングテープで丁寧に養生したと思っても、ラッカーの強烈な有機溶剤がウレタンのクリアに影響を及ぼし、クリア層が浮いてきます。

その結果、大変なことに・・・ww

微妙だったので、レリックにしてみましたwww余計微妙というww

3 件のコメント

  • 私も以前、ほぼほぼ同じ工程でギターの塗装をしました。
    塗装完了目前で、ネジ穴のふちの辺りから透明のウレタントップコートがぺりぺりと剥がれる事に気づいて、再塗装をし直した事があります。
    その時は全く原因が分からなかったのですが、暫く経ってYouTubeの「Zinギター工房」さんの動画で、ラッカー→ウレタンの順では塗ってはいけないと知りました。参考に挙げられている画像のギターの剥がれが全く自分のギターと同じ症状でした。
    こちらで塗装された方法が同じように感じられたので気になって書き込みいたしました。

    • コメントありがとうございます(*^^*)
      参考に挙げられているギターの剥がれとは一番下にある「ポリウレタン→ラッカー」で失敗した画像のことをおっしゃられているように思われます。
      これはウレタンのシンナーが乾く前にラッカー塗り重ねてしまったために起こった例で、おそらくおっしゃっている事例とは異なるように思います。

      基本的にシンナーが完全に乾けば、ラッカー→ウレタン、ウレタン→ラッカーどちらも可能であり、実際にどちらも試したことはありますが、私の場合は問題になったことはありませんね。うーむ。

      ただし上記はあくまで油性の話で、
      >ネジ穴のふちの辺りから透明のウレタントップコートがぺりぺりと剥がれる事に気づいて
      実際の原因はわからないのですが、しっかりとヤスリで足付けしていなかったり、ウレタンはウレタンでも水性のものを塗った場合は、こういったことが起こる可能性はあると思います。

  • イサムのエアーウレタンはポリウレタンではなくアクリルウレタンですよ。

    ラッカーの上にウレタン塗装をする事自体は可能ですが、密着性が悪いです。
    メイプル指板にラッカー→ウレタンを塗り、フレット周りの作業で貼ったマスキングを剥がす際にウレタンが持ってかれたり、一部の塗装欠けから周りの塗装が浮いて剥がれが広がったりします。

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