つい先日ワトコオイルを使ってオイルフィニッシュをしたのだが、出来栄えとして可もなく不可もなくという感じだった。
色の薄さとグロッシー感のないサテン風味が満足度が上がらない原因。
色の問題は最初にポアーステインとかで着色しなかったのがそもそもまずかったのだが、ホームセンターで簡単に手に入るという理由でワトコオイルを選んだのがいけなかったのかもしれないとちょっと反省です。
なので、反省がてら色々とオイルの種類を調べてみて、その結果なかなか興味深い結論に辿り着いたので、このエントリーでまとめておこうと思う。
オイルフィニッシュ用の代表的なオイル
色々と調べるとオイルフィニッシュに一般的に良く使われるのは以下の2種類ということだ。
- linseed oil:亜麻仁油
- tung oil:桐油
細かいことはWikipediaを見てもらうとして、両方とも植物油で、とても古くから使われている。桐油を和紙に塗って防水した桐油合羽なんてものあったらしい。
両方とも今でも普通にAmazonで手に入ります。
亜麻仁油
桐油
気になるお値段はざっくり桐油>亜麻仁油>ラッカー、ウレタン系の塗料という感じ。
気になる塗装の仕上がりだが、亜麻仁油のほうが艶があるみたい(実際のところは試してないので分かりません・・・)。
そして、色々出回っているオイルの成分表をみると主成分は亜麻仁油のものが多い。安くて艶があるせいかもしれない。
その他の一般的なオイル
watco oil:ワトコオイル
おっさんが前回のリフィニッシュで使ったオイルだが、主成分は亜麻仁油と明記している。艶を出すのは相当何度も塗り重ねる必要があると思う。基本的に、グロッシーな仕上げには向かないと思う。
でも、ワリと良い匂いがするし、自然の成分っぽいので安心感はある。
teak oil:チークオイル
ちなみにこれはチークという木から抽出したオイルという意味ではなく、チーク材に塗るのに最適なオイルという意味で名づけられたもの。
色々な所から販売されているが、ワトコ製のチークオイルのSDS(Safety Data Sheet)≒成分表を見ると、(酸精製)亜麻仁油と水素化精製重質ナフサ(石油)と書かれている。
つまり、基本は亜麻仁油なんだが、乾燥を早めたり、チーク材に塗った祭に仕上がりを良くするために色々と化学物質を混ぜてますよという話です。
Tru oil:トゥルーオイル
米国では銃の銃床を磨くのに使われているらしい。なんとも不謹慎なオイル。
こいつのSDSを見ると亜麻仁油が7~13%で、その他はModified oilが15~40%、ストッダード溶剤(ミネラルスピリットの別名らしい)が40~70%となる。
これだけみてもなんだかよく分からないのだが、実際の出来を動画等でみるとかなりグロッシーに仕上げることができるみたい。恐らくはニス(ウレタン系?)が混合されているのではないか。
Danish oil:デニッシュオイル
ワトコ製のデニッシュオイルのSDSを見る限り、ミネラルスピリット(軽油)が主成分のようだ。亜麻仁油とか桐油とかの記述が見当たらない。商品説明にもvarnish(≒ワニス≒ニス)とオイルの混合と書かれている。
ちなみに油性のニスは、和信の油性ニスのSDSを見ると一液性ポリウレタンのようなので、デニッシュオイルも基本的にはウレタン塗料ではないかと思われる。実際に臭いでも嗅げば分かるのだろう。
それにしても、ここまでくると、まあオイルはオイルなんだけどね・・・という感じである。
実際に塗った様子を動画とかで見る限り、艶が出ているが、そもそもポリウレタンが入っていたら艶は出るのは当たり前っちゃ当たり前な話なんだよなあ。
参考動画
以前にも張ったのだが、参考までにオイルを比較した動画を貼っておく。
これを見ると、Tru OilとかDanish Oilの艶が目立ちますね。
自分でオイルを作ってしまえば良いのでは?
どうもこのように色々調べると、純粋な亜麻仁油とか桐油でグロッシーな仕上げを目指すことはどうもお門違いのようだ。
より簡単にグロッシーな仕上がりを目指すには、Tru OilとかDanish Oilのように色々と化学物質(ウレタン?)を混ぜて調節したオイルが良いのではないか。
このように考えてふと思う。
自分でオイルを調合しちまえばええんじゃないの?
ということで、実際に試してみることにする。
オイルの調合と塗装を試す
まずは、以下のものを用意する。
- ワトコオイル(余り物)
- 和信の油性ニス(成分は、一液性ポリウレタン)
- 塗装薄め液(ラッカー用ではないことに注意)
そして、2:2:1にザックリと調合する。
混ぜても一応変なガスとかは発生しませんでしたwまた、変に凝固したりもしなかった。
うむ、これなら行けそうだとホームセンターで買ってきた木材(アガチス!)に布切れで塗ってみることにする。
この後、4回ほど塗装を繰り返した結果・・・
かなりの艶がでることが確認できた。
ということで、オイルの調合はかなり有効ではないかと思う。このやり方なら、オイルフィニッシュでもグロッシーな仕上がりにできそうだ。
次は、実際にギターに塗装して試してみることにします。
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