ストラトのボリュームポットを250kから25kに変えてみた結果

普通のパッシブピックアップを積んだストラトでポットを250kから25kに変えると音はどのように変わるのだろうか?

実はこの疑問、興味深いがあまり意味がない。

ストラトのあるべき音=シングルコイル=250kという方程式が定まっている以上、ハムバッカーと混在させるために500kのポットに交換するならまだしも、25kのポットに交換する人なんていないからである。

そもそもやる動機、メリットがない。

そして、実際やるだけ無駄なのである。

強烈に籠もるからだ。

恐らく、抵抗が小さいことで低音域がカットされないのと、インピーダンスのミスマッチが起きる為だと思うんだが(正直原理についてはよくわからない・・)、籠り方が半端ないのだ。

それでも、おっさんは今回、250kのポットを25kのポットに交換することにしますた。

はっはっはっ。凄いだろう。そうです、私が変なおっさんです。

じゃなくて(*´ω`*)

おっさんのストラトは、EMG After Burner(プリアンプ/ブースター)を設置したことで、既に回路が半アクティブ化しているのである。もはやパッシブじゃないのだ。

https://electric-guitarz.net/emg-after-burner/

であるからして、250kのポットをアクティブ回路標準の25kに変えることによって、よりアクティブ回路に近づき、美味しいことになるんじゃないの?と妄想し、実験してみたくてたまらなくなったのさ。

籠りを回避するための仕掛け

上記のように、パッシブピックアップの後のポットを25kに変えるだけだと籠るのは確実である。

今更そんなつまらんことをしても仕方ない。

なので、おっさんは

現行の、ピックアップ(SSL-1等のパッシブ) → 250kのボリュームポットプリアンプ(EMG After Burner) → 出力

という回路を、

ピックアップ(SSL-1等のパッシブ) → プリアンプ(EMG After Burner)25kのボリュームポット → 出力

と変更することにした。

肝は、After Burnerをポットの前(つまりピックアップセレクターの直後)に持っていき、ローインピーダンスに変換した信号を25kのポットに流すちゅうことです。

こうすれば実質的にはアクティブピックアップの回路と同じになるから籠らない。

・・・と思うんだけどな~(;・∀・)

ということで早速ギター弄りじゃ、うほほ~い。

(既に、ギター弄りが目的化しているような・・・)

ストラトに25kのポットを設置

今回は、フェルナンデスの25kポットを用意しますた。

フェルナンデスの25kポット

フェルナンデスの25kポット

やはりミリサイズならフェルナンデス。トルク、半田の乗りも申し分なし。

んで、配線終了。

配線後(敗戦後w)

配線後(敗戦後w)

リアには遂にDeathbuckerが復活しますた。

リアには遂にDeathbuckerが復活しますた。

この後バッテリー格納問題が勃発するのだが、それは省略しまつ。

そして音はどう変わったのか

では、250kの音と25kの音を聴き比べていただきましょう。SSL-1(ネックポジション)をボリューム10、After Burnerオフで弾いたものです。

今までと同じように、無演奏部→コードx2→リックx1という感じで進みます。

改造前:250kの音

ちなみに、これはノイズ対策をしたときに録音したものを流用している。

改造後:25kの音

籠らないね。むしろ改造後はよりハイが出てクリアだ。

一方で、あのシングルコイルをネックで鳴らした時の”トゥル~”というウッディなくぐもったような独特な美味しい味が薄くなってしまった。

それと、ピッキングのニュアンスがもろに出るような気がする。下手くそには辛い傾向である。

これを最近マイブームのAudacityで見てみよう。

まずは、db表示にした場合。

上が改造前(250kのポット)の波形、下が改造後(25kのポット)の波形

上が改造前(250kのポット)の波形、下が改造後(25kのポット)の波形

改造後の方が、波形の後半が太くなっているように見える。何でしょうね、これは。

ちなみに、電マではありませんし、チン子でもありません。

これを解明するために周波数で比較してみる。

このグラフは改造前後で周波数を重ねていまつ。薄くなっているのが改造後(25k)。縦軸にdb、横軸が周波数で右に行くほど高くなる。

改造前(250kのポット)の波形と改造後(25kのポット)の波形を重ねた。

こうしてみると、改造後の方が、中~高音域が出ているようだ。比較してクリアな音に聞こえるのはこのせいか。

ポットにカットされず、素直にピックアップの音が出ているのかもしれない。そのせいでdbで表示すると後半が太くなるのかもね。

なお、録音に使用しているオーディオインターフェイスが、リアルトーンケーブルのままです(;・∀・)

なので、絶対的な音の良し悪しで言うと、悪いと思う。

音の良し悪しというよりも比較で見てもらえると嬉しいです。

まとめ

25kのポットでも(プリアンプをかませれば)音は籠りませんでしたね。

でもやっぱり音は変わりました。ミドルからハイが出るようになってかなりクリアな印象です。鈴鳴り感もあるような?

一方で、シングルコイルで美味しいウッディなくぐもった鳴りが減退し、ストラト感が減退。

改造後もクリアで全然悪くないんだが、ジミヘン的なサウンドがあるべき姿の人にとっては、ネック側のピックアップを使う動機が薄れるかもね。ストラトじゃないじゃんと思う人もいるかもしれん。

アクティブに対するアレルギーはこういうところにあるのかなあ。

この動画でも今回の実験結果と同じ傾向なんだよね。

伸びやかだけどストラトらしくない?

追記(Alumitone Deathbuckerについて)

なお、今回どさくさに紛れてリアにこっそりAlumitone Deathbuckerを載せた。

このピックアップ、コイルがなくてトランスで信号を増幅しているためか、インピーダンスが低い、つまりパッシブなんだが割とアクティブに近い特性があって、ハイインピーダンスなパッシブピックアップとの共存はできないと言われているが(できないこともないはずだが、日本のネットショップにはすべからくこういう注意書きがある)、今回プリアンプをかませたことで(全ての信号がローインピーダンスに変換されるので)、まったく問題なく共存できるようになった

そういった面でも今回の方法は割と使えるやり方のような気がする。

参考資料

後で知ったのだが、割とEMGが推奨する方法だった。

The best alternative would be to install a buffer (impedance converter) on the passive pickup like the EMG PA-2 and use our 25k pots. A trim pot on the PA-2, allows you to adjust the output of the passive pickups to match your EMG’s for a more balanced volume between the two. For this application, you can order the PA-2 without the switch for easy installation on the inside of a guitar.

出典:EMGのホームページのQ&A ”CAN I MIX EMG’S WITH PASSIVE PICKUPS?”より

これ、パッシブのピックアップとEMGのアクティブピックアップが混在できるかという質問に対するEMGからの回答でつ。

至極簡単に要約すると、25kのポットを設置すると、パッシブピックアップのゲイン、ハイ、レスポンスが減少するので、もしパッシブのピックアップを混在させたい場合はEMG PA-2(After Burnerと機能は同じでつ)みたいなプリアンプを一旦噛ませれば良いよ、ということです。

てことで、次の実験は、アクティブピックアップの導入とパッシブとの共存かな?

2 件のコメント

  • 先日に引き続き連投失礼します。
    日本の楽器屋は実際プロとはいえ死ぬほどいい加減なので、現在でもEMGは少ないコイルに弱い磁力のマグネットをつかってプリアンプを通しているのでローノイズ、ハイパワー等ということを書いております。

    実際にはEMGはもう内部構造もでまわっており、そもそもEMG自体がだしていたデータでもコイルのターン数はモデルにもよりますが、85、81はかなり低出力ハムよりははるかに多く、マグネットもミドルパワークラス以上のに搭載される磁力のものが使われています。
    アクティブとパッシブの混在ということなのですが、確かにPA2を使用すれば可能なのですがいくつか注意点があります。

    まずパッシブのピックアップの直後に入れなくてはなりません、たとえばリアをアクティブ、フロントをパッシブにする場合は
    フロントPU→PA2→PUセレクター、リアPU→PUセレクター
    PUセレクターから25Kもしくは50KのVOLの形が理想です。

    実際パッシブとアクティブは混在させてもどちらが壊れるかなどの問題は一切おきません、ではなにが起きるかというとセレクターでミックスポジションを選んだ場合インピーダンスの低いほうが強いためハイインピー側とのミックスバランスが極端に悪くなりほぼローインピーダンス側の音しかでない状態になります。

    ミックスポジション自体つかわないならそのままの状態で使えますが、VOLポット、トーンの定数はアクティブ、パッシブで各々変える必要があります。
    先の例の場合、フロント→パッシブ定数のコントロール→PUセレクター、リア→アクティブ定数のコントロール→PUセレクターとなりますのでマスターVOL、TONEはどちらかが犠牲になるのでお勧めしません。

    先のPA2をPUセレクターの前に入れるのは上記の理由のためです、これをしないとPUセレクター内ではハイインピーとローインピーの状態でバランスの悪いミックスがされ、それがPA2に送られ最終的にローインピーに変化してしまうだけなので意味がありません、ミックスされる前にローインピーにしておく必要があるわけです。

    長々と申し訳ありません、もしよければEMGの情報に関する詳細なデータやEMGのプリアンプ自体を自分で作ることもできますし配線でわからないことなどありましたら連絡先を載せておきますのでご連絡ください。
    それでは失礼いたします。

    • いやあ、ボブさんはお詳しい。ご連絡先もありがとうございます。
      パッシブPUとアクティブPUのミックス時は色々と考えなくてはなりませんねえ。
      気軽にブースターを入れたら、何だが凄いことになってきましたww

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