ギターをラッカーでリフィニッシュする人は多いけれど、ウレタン、特に水性ウレタンを使う人は少ないのではないだろうか。
でも、水性ウレタン、安いし特別な設備が少なくて済むよなあ。使わない人は、ギター≒ラッカーという前例主義に凝り固まっているだけではないか?シェラックだって水性だしなあw
うむ、俺がやるしかあるまい。
はい、やりました。結果・・・
なかなかよろしいのではないだろうか?
ハードルの低さとコスパを考えると、もしやギターDIYerにとっては最強の塗装法かも?もしかして、もしかする?
ということでこの記事では、上記のように水性ウレタンニスでツヤツヤに仕上げる手順を備忘録として書いておこうと思います。
なお、バインディングの関係でトップの塗装を剥がしてしまったので、写真は全てバックのみとなっています。
目次
下地作り
こいつは元の状況です。
塗装にあたっては完全に木部が露出するようにします。水性ゆえ、木に直接塗る必要があるからです。下地を残すやり方は無理なので気を付けて下さい。
ヤスリの粗さとしては、#240程度で十分かと思います。
ポアステインによる着色はお好みで。
水性ウレタンニスを塗る手順
こいつを刷毛を使って塗ります。使う刷毛は、自分が使いやすいものでいいと思いますが、おっさんはスポンジの刷毛を使いました。こいつはこいつで、泡立ちやすいというデメリットがあるのですが、まっすぐ塗れるというメリットもあります。
上記の写真の状態にするには、3回×3回(日)、合計9回程度塗り重ねれば大丈夫です。
塗る間隔としては、30分位で大丈夫だと思います。ニトロセルロースとまではいきませんが、乾くのはかなり早いです。
3回塗ったら、1日乾かすことになりますが、そのタイミングで、#400~#1000あたりでサンディングし、足付けします。こうすることで、上塗りしたニスが食いつきやすいようにするのですな。
この際、刷毛塗りの跡をなだらかにして、平面を出すことも重要です。
1日終了後
2日終了後
3日終了後
なお、水性ウレタンニスはネックを含めて塗装するのであれば130mlだと若干足りないと思います。300mlなら確実に大丈夫です。
気を付けたい点
オイルは塗っちゃだめ
下地作りのために木部にオイルを塗りたくなる人もいるかもしれませんが、水性ウレタンニスを塗る前にやったら、確実に弾きますので気を付けて下さい。
薄める
粘度が高い状態だと、塗り跡や色むらが目立ちます。基本1対1位に薄めた方がいいように思います。薄めるのは水で十分です。
泡立たせない
容器を振り過ぎるとニスが泡立ち、滅茶苦茶仕上がりに響きます。極力泡立てないようにしたほうがいいです。
失敗例
実は、最初に色付きのニスを使ったのですが、色むらが激しくて諦めました。
薄めなかったのがいけなかったのですが、基本的に色付きニスの刷毛塗りは難しいと思います。
メリットデメリットのまとめ
最後に、水性ウレタンニス塗装のメリット・デメリットをまとめておこうと思います。
メリット
- 乾くのが速い。
- 塗料が手に入りやすい。ホームセンターに行けばほぼ確実に売っています。
- 安い。
- 臭いが少ない(かすかなニス臭程度)。また、刷毛塗りなので、寝かせて塗装ができる。従って、場所を選ばない。
- ツヤツヤにできる。
- 塗り重ねる回数によるが、割と分厚く塗れると思う。塗装を落とそうと思った場合、ラッカー塗装位の労力はかかります。
- 硬化すればちゃんと水は弾きます。
デメリット
- 経年劣化があるか否かは前例が少ないため現時点では分からない・・・。ただし、建物の外壁塗装で使われるくらいなので、それほど柔いとも思わない。
- 水性塗料は油性と比べるとやや傷が付きやすいようです。
- 刷毛塗りが難しい。
水性塗装に抵抗があるという方もいるかもしれないが、(繰り返しになりますが)手間がかかることからギター塗装としては超高級となるシェラック塗装も水性な訳です。ですから、そこで抵抗感を抱く必要はないと思います。
そして、水性ウレタンニスでも水や傷に対する塗膜の強度も一定程度は出せるように思います。むしろ下手なオイルフィニッシュよりは強いように思うし。家弾き用途の安ギターの塗装は、水性ウレタンニスで十分かもしれませんw
「そして、水や傷に対する塗膜の強さとしては、恐らく水性ウレタンニスであろうかとなんとなく思います。」
文章の意味がわかりません
水性ウレタンニスであろうか ???
おっと・・・(;^ω^)